はねくじら
はねくじら
雨がしとしと降り続き
石畳を濡らしていく
ガゼボの周囲を彩る紫陽花は
雫の化粧で艶を感じさせる
ピンクと白の隙間から
彼女の後ろ姿が見えた
蘇るのは彼女との出会い
6月のこんな雨の日だった
手にする傘の柄に力が入る
緊張で息が浅くなる
深呼吸を1つして
覚悟を決めて踏み出した
彼女にこの愛を届けるために
霜月蒼空
しとしとと
重たいソラから
滴る涙
それは誰かの嘆きか悲しみか
ーーどうしたの?何をそんなに悲しんでいるの?
終ぞ返答はこないと識りながら問掛ける
どうかアナタの悲しみが慰められますように
八仙花が咲きこぼれるのを
嗚呼、今日も、また……
ABOUT ME

会社員をしながら、細々とキャリアコンサルタントとして活動しております
ゲーム大好き人間です